どうもバカルダーです。今回はBinanceのステーキングとFTXを使ってアルトコインの値動きに関係なくローリスクで年利10%以上運用を目指す方法を紹介します。
この運用方法をアルトコイン「ALGO」で2019年10月1日から12月31日まで行った場合、レバ3倍なら年利20%以上、レバ1倍でも年利16%以上の利回りになりました。
BINANCEでステーキングすると同時にFTXでショートしてデルタニュートラルに
この運用方法はシンプルです。
これで、「アルトコインがドル建てで上昇しても下降しても利益も損失も出ない状況」=デルタニュートラルの状態にすることができます。
現物をステーキングするのはバイナンス以外でもADAのように公式ウォレットでステーキング出来たり、PoloniexのTRXのように取引所が手数料を取らずにステーキングできる通貨でもOKです。
利益の源泉はステーキング報酬と資金調達率
この運用方法で利益になるのが「ステーキング報酬」と「資金調達率」です。BINANCEでのステーキング報酬はアルトコインで支払われるので、そのコインの価格によっても利率が左右されます。
FTXの資金調達率は基本的にショートしてる側に1時間ごとに支払われます。資金調達率はドルで支払われるのでアルトコインの値動きの影響は受けません。
BINANCEのステーキング方法とルール
BINANCEのステーキング方法はとても簡単です。対象のアルトコインを購入してBINANCEのウォレットに入れておくだけです。手数料も掛かりません。
ただし、ステーキング報酬の支払いペースはアルトコイン毎に異なるので確認が必要です。FTXで無期限先物が取引き出来てステーキング報酬が高いアルトコインはATOM、TRX、ALGO辺りですね。
ALGOで2019年10月から12月末までのシミュレーションをしてみた
2019年10月1日に1000ドル分のALGOをBINANCEで購入して、FTXで333ドルを元手にレバ3倍でショートした場合のシュミレーションをしてみました。 ALGOの価格は2019年10月1日の始値0.2505ドル、2019年12月31日の終値0.2159ドルでした。
BINANCE | FTX | |
元金 | 1000ドル | 333ドル |
運用 | 3992ALGO | 1000ドル |
10月の月利 | 15.58%(1.29%) | 1.57% |
10月の報酬 | 51.49ALGO | 15.7ドル |
11月の月利 | 17.92%(1.49%) | -2.46% |
11月の報酬 | 59.48ALGO | -24.6ドル |
12月の月利 | 19.01%(1.58%) | 5.22% |
12月の報酬 | 63.07ALGO | 52.2ドル |
報酬合計 | 174.04ALGO | 43.3ドル |
174.04ALGO*0.2159ドル=37.57ドルなので3か月でのドル建ての報酬の合計は80.87ドルとなります。まとめると以下の表のように平均月利2.02%、年利換算24.2%程になりました。
元金 | 報酬合計 | 平均月利 | 年利換算 |
1333ドル | 80.87ドル | 2.02% | 24.2% |
2000ドル | 80.87ドル | 1.34% | 16.1% |
ちなみに表の下段はFTXにも1000ドル入金して元金2000ドル、レバレッジ1倍でのシミュレーションです。レバ1倍でも年利16%あれば優秀ですね。
ステーキング報酬のALGOを毎月売っていくか、ホールドして複利で貰うかによっても少し違ってきます。
BINANCEステーキング&FTXショート運用のリスク
この運用方法はレンディングや資金調達率のみを狙った運用より高いパフォーマンスが狙える一方でやはりリスクもあります。特にFTX側のリスクに注意しましょう。
FTX側でのロスカットとマイナス資金調達率のリスク
まず、FTXで無期限先物をショートしますのでロスカットのリスクがあります。ドルを担保にしますのでレバ1倍でショートしてもロスカットリスクは無くなりません。レバレッジは大きくても3倍未満が無難です。
また、資金調達率マイナスの状態が続くことで利益が削られます。シミュレーションでも11月にはその月の合計資金調達率がマイナスになっています。もしマイナス資金調達率のリスクを負いたくない場合、期限付き先物でショートすれば資金調達率は掛かりません。
ロスカットリスクを軽減するための設定
ロスカットリスクを軽減するために両方の取引所で注文が約定したら以下の2つのどちらかを念のため行っておきましょう。
- FTX側でストップ、BINANCE側でリミットを設定しておく
- FTXでロスカットになる価格帯でBINANCE側でリミットを設定しておく
開始と終了時のスプレッド
マイナーな通貨の場合、現物を買う時と無期限をショートする時にスプレッドが開いてしまう時があります。このスプレッド分も資金調達率とステーキング報酬でカバーできるかも考慮する必要があります。
両者のカウンターパーティリスク
カウンターパーティリスクについてはご存知だと思いますが、BINANCEもFTXも中央集権型取引所ですのでハッキング等によって損失を受けるリスクがあります。
2020年8月追記:直近の取引
Twitterでも呟きましたが、BTCや暗号通貨全体が上昇トレンドに入ってきて資金調達率が高騰してきたので資金調達率を取りに行く取引を行いました。
無期限FXをショートした通貨はFTXに上場した「RUNE」です。バイナンスでステーキングは出来ませんが公式サイトで年利34%でステーキング可能です。
さらにBinanceチェーンなのでトランザクション手数料も1円以下と激安です。まだ継続中なので終了したらまた追記します。
BINANCEとFTXの紹介と取引手数料ついて
最後に2つの取引所の紹介と取引手数料についてです。 両者とも取引所トークン保有で手数料割引があります。BINANCEはBNBを保有(保有量の条件無し)、FTXはFTTを100ドル分以上の保有(FTX手数料詳細)が必要です。
BINANCE | FTX | |
Maker | 0.1% | 0.02% |
Taker | 0.1% | 0.07% |
取引所トークン保有 | 0.075% | 3%以上割引 |
以下のリンクから登録して頂くとリファラ報酬のキャッシュバックや手数料割引が受けられます。
まとめ
BINANCEのアルトコインステーキングを使って高金利で運用する方法を紹介しました。この運用方法の主なリスクはFTXでのロスカットとマイナス資金調達率です。「通常のレンディング」や「資金調達率を狙った運用」と比較してリスクを判断してから実行してみてください。
レンディングや資金調達を狙った運用については以下の記事をどうぞ。
FTXのAPIで過去の資金調達率を調べるためのPythonコード
FTXの過去の資金調達率はAPIを使わなくてもこちらのFTXのページから調べられます。ただ、1度に500件しか取得できないのでいちいちCSVダウンロードして調べるのは大変です。
なのでここはプログラミングの出番です。例としてALGOの無期限先物の2019年12月の資金調達率の合計を調べるpythonコードを置いておきます。
import requests
from datetime import datetime
#前半スタート日時
t = datetime.strptime('2019/12/01 00:00:00', '%Y/%m/%d %H:%M:%S')
st= t.timestamp()
#前半終了日時
te = datetime.strptime('2019/12/14 23:59:00', '%Y/%m/%d %H:%M:%S')
end = te.timestamp()
#後半スタート日時
t2 = datetime.strptime('2019/12/15 00:00:00', '%Y/%m/%d %H:%M:%S')
st2= t2.timestamp()
#後半終了日時
te2 = datetime.strptime('2019/12/31 23:59:00', '%Y/%m/%d %H:%M:%S')
end2 = te2.timestamp()
def fund(st,end):
url="https://ftx.com/api/funding_rates?future=ALGO-PERP&start_time="+str(st)+"&end_time="+str(end)
res0 = requests.get(url)
res = res0.json()
rate=[]
i=0
while i <380:
try:
rt=res["result"][i]["rate"]
rt=float(rt)
rate.append(rt)
i=i+1
except:
i=i+400
print(sum(rate)*100)
return sum(rate)*100
rate1=fund(st,end)
rate2=fund(st2,end2)
print("合計:")
print(rate1+rate2)
一度に500件しか取得できないので1ヵ月を前半と後半に分けています。対象通貨は「future=ALGO-PERP」を編集して変更できます。
コメント
初めましてこんばんは。大変為になりましたありがとうございます。
仮想通貨の下落に伴い、リアルタイムでは資金調達率が低い状態なので再度
上がってきた段階で試してみようと思います!
ただ、疑問が一点あります。
記事ではバイナンスでロング保有、FTXでショート保有のデルタニュートラルでしたが、バイナンスのみで現物ロング、先物ショートでも可能ではないのかなと思いました。
取引所を2つ使うのには、なにかしらのリスクを考えての判断なのでしょうか?
それとも、FTXの方が調達率が有利だったりするからなのでしょうか?
自身でも調べてみますが、ご返答下されば幸いです。
コメントありがとうございます。。
取引所は1つでも大丈夫ですね。むしろ1つの方が管理しやすいかもしれません。
記事を書いたの2020年頃は、まだバイナンスにアルトコインのFXが無かったのでFTXを使う方法を書いてました。
よろしくお願いします。
ご返信ありがとうございました。
仮想通貨には精通してないため大変参考になりました
時間に余裕のない仕事の為、仮想通貨のトレードは不向きと考えていた所
金利で収益を目指す方法を知り興味を持っていました。
少額でスタートして試してみます、ありがとうございました!