どうもバカルダーです。この記事ではCredとUpholdが提供する仮想通貨レンディングプラットフォーム「Cred Earn」の使い方や注意点・リスクについて紹介します。
※2020年10月28日追記:CREDに何らかのトラブルがあったようです。CREDからのメールによると2週間以内にこの件について発表があるそうです。CREDからのメールはCoindeskの記事から確認できます。現在はUpHoldとの提携は中止されています。
Cred Earnとは?
Cred EarnはCREDがUpholdのユーザーデータをOAUTH認証という技術を使って提供している仮想通貨レンディングプラットフォームです。
※2020年1月からレンディングが6ヵ月拘束の毎月利息払いに変更されました。
仮想通貨レンディングプラットフォームの全体像では集権型に分類しました。他のプラットフォームとの比較は以下のまとめ記事へどうぞ。
Credについて
Credは仮想通貨を担保にしたオンラインで完結する金融ローンを行う企業です。
2018年に「Libra Cradit(LBA)」というトークンでICOを行いました。LBAはユーティリティトークンとして扱われ、現在ではホルダーに対して貸出利率の優遇が行われており、今後もっと使い道を増やしていく予定のようです。
LBAはBittrexやhuobiなどで上場しています。
アメリカでは現在28の州で利用可能であり、カリフォルニアでは「Lender’s License」を受け取っています。
また、Binanceの投資ファンド「Binance Labs」からも投資を受けています。カストディアンにはBitGoと提携しています。
Upholdについて
Upholdは23種類の通貨、9種類の仮想通貨、4種類の資源を1つのプラットフォーム内で両替できるウォレットサービスです。海外の場合は銀行出金にも対応しています。
Upholdは米金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)の規制下にあり、資産の透明化も重視しているようでこちらのページで現在の準備金が通貨ごとにリアルタイムで更新されています。これは資金の移動を全て追跡・検証可能なブロックチェーンで記録することにより提供されています。
また、OAUTH認証を使ってCredEarn以外にも様々な投資アプリをUpholdを仲介して使う事ができます。
OAuth認証
OAuth認証は簡単に説明すると、事前に承認された(アクセストークンを付与された)アプリケーションのみにデータを渡し、利用できるようにする技術です。
- CREDがUpholdにユーザーデータを渡すようにアクセストークンを添えて要求。
- 要求を受けたUpholdではアクセストークンが正しいか検証。
- アクセストークンが正しければ、ユーザーに許可を取り、データをCREDに渡す。
アクセストークンを検証することによってデータの悪用を防いでいます。より詳しい仕組みは以下の記事が参考になります。
Cred-Uphold-BitGoの関係[Universal Protocol]
Cred,Uphold,BitGoは「Universal Protocol」というプロジェクトのメンバーでもあります。その他にはBATのBrave、取引所のBittrexなどがメンバーです。
Universal Protocolとは
Universal Protocolは異なる分散型ネットワーク間での共通言語を提供することで、1つのプラットフォーム・ブロックチェーン上でトークンを交換できるようにするプロジェクトです。
仮想通貨だけでなく、不動産などもトークン化されて交換できるようにする予定です。
現在、UPBTC(BTCペッグ)とUPUSDやUPEUROなどのステーブルコインの発行が予定されています。UPUSDはアフリカとラテンアメリカのupholdユーザーは既に使用できるようになっている模様です。
また、 Universal Protocolプラットフォーム でユーティリティトークンとして使用されるUPT(ユニバーサルプロトコルトークン)のICOが2019年4月1日まで行われていました。興味のある方は以下のページを参照してください。
Cred Earnの貸出・借入の利率や特徴
現在のCredEarnのレンディング利率は以下のようになっています。
通貨 | 利率 | 通貨 | 利率 |
BTC | 7(4)% | UPBTC | 8(5)% |
XRP | 3(2)% | ETH | 5(3)% |
LBA | 6(4)% | UPUSD | 10(6)% |
USD | 8(6)% | ステーブル | 8(6)% |
その他取り扱い通貨は以下の通りです。金利は定期的に変動します。
その他通貨(年利2~10%) |
ADA / ATOM / BAT / DCR / DGB / DOGE / EOS / GBP / LINK / MIOT / NANO / NEO / TRX / UPEU / XEM / XLM / ZIL / ZRX |
LBAを持ってると利率がお得に
10000LBAをUpholdのウォレットに保管していると仮想通貨の利率が2~5%アップします。
利息の計算方法。毎月1日と15日からスタート
CredEarnの利息は毎月1日と15日に計算が開始されます。利息計算開始までにダッシュボードで貸出申請をしておく必要があります。
計算方法は計算開始時点でUSD換算され、その価格に対して利息が付きます。レンディングした通貨が上昇しても下落しても利息は変わりません。
例えば4月1日時点でのBTCの価格が4000ドルだったとして、1BTCを貸出しするとその後のBTCの価格に関係なく、1~5か月毎に50ドル、6か月後に50ドルと1BTCが払い出されます。(年利10%の場合)
1日と15日までならいつでもキャンセル可能
一度貸出申請を出した後でも、1日と15日までならいつでもキャンセル可能です。また、貸出総額が多すぎた場合は次のセットまで保留される場合があるそうです。
資金拘束は3ヵ月で単利か複利か選べてUSD払い
レンディングした資産は3ヵ月の間拘束されます。払い出されるのは貸し出した通貨では無く、USDでUpholdのウォレットに入ります。
単利なら1ヵ月ごと、複利は3か月後に利息受け取り
2020年1月から単利か複利かを選べるようになりました。単利なら1ヵ月ごとに利息が受け取れます。複利なら3か月後に元本と同時に受け取ります。
借入はまだできない
借入はまだできませんが、HPをみるとLTV50%まで、利子9%、期間3年、担保:BTC,ETH,XRPになる予定なのが確認できます。
恐らくLBAホルダーは何らかの優遇があるはずです。
リスクや注意点、手数料について
バイナンスが投資していて、カストディアンはBitGo、BATやBittrexともプロジェクトの同盟という点から何だかとても安心できそうなプラットフォームだと思ってしまいそうですが、やはりリスクはあります。
カウンターパーティリスク
自分のアカウント情報は自分で管理するのは当然として、考えられるのは「ハッキングリスク」「Cred破綻リスク」「Uphold破綻リスク」等があります。
やはりまだ銀行預金の感覚で資金を預けてはいけません。
注意点:Upholdの手数料が結構高い
注意点としてはUpholdの手数料が結構高い事です。Cred側では貸出に対して手数料は掛かりませんが、Upholdで両替や出金するときに手数料が掛かります。
出金手数料
全ての仮想通貨の出金手数料は2.99ドル。それに合わせてマイナーに支払うトランザクション手数料も別途必要です。
Uphold会員同士の送受信は無料です。銀行出金の場合は3.99ドル掛かります。
両替手数料
両替手数料は通貨により異なります。主な手数料は以下の通りです。
通貨 | 手数料率 |
ドル、ユーロから両替 | 0.65% |
BTCから両替 | 1.05 % |
ETH,XRPから両替 | 1.4 % |
LBA,BATから両替 | 1.95 % |
また、クレジットカードで入金すると3.99%掛かります。より詳細な手数料はこちらページで確認できます。
Cred Earnでレンディングする方法
では前置きがとても長くなりましたが、CredEarnでレンディングする方法を紹介します。手順は以下の通りです。
- Upholdにアカウント登録する
- Upholdにレンディングしたい通貨を入金
- CredEarnで貸出申請をする
まずはupholdに登録します。
Upholdにアカウント登録する
まずはUpholdへ登録する必要があります。Upholdへアクセスして右上の「sign up」をクリックしたら、アドレス、パスワード、「 an individual 」を選択、国名を選択して「NEXT」をクリックします。
次に、個人情報を入力し、2段階認証を登録したらアドレス確認メールが届いて登録完了です。
KYCを完了する
upholdはKYCを登録する必要があります。ログイン後ダッシュボード上段の「Become a verified member」をクリックして詳細な住所とパスポートか運転免許証などをアップロードします。
KYCは数分で完了します。
Upholdにレンディングしたい通貨を入金
次にレンディングしたい通貨をupholdに入金します。今回はETHを入金する手順を紹介します。
デフォルトではETHのウォレットは表示されていませんので、「Add card/currency」をクリックします。
すると上の画像のような「Add new card」がポップアップしますので好きな名前を付けて、「Currency」の部分をEtherにして「CREATE」をクリックします。
入金用ETHアドレスを表示させる
入金用のアドレスを表示させるには、ETHウォレットのページの「Add funds」をクリックして「with Cryptocurrency or Utility Token」をクリックします。
そして「Choose a cryptocurrency to send funds from」の項目からETHを選択して「Generate Address」をクリックするとアドレスが生成されます。
入金時の注意点:ETHウォレットにはETHを入金しよう
注意点は、ETHウォレットにBTCなどの他の通貨で入金出来てしまう部分です。
例えば、ETHウォレットのBTCアドレスにBTCを入金してしまうとuphold側で自動で両替が行われてETHに変換されます。
両替が行われますので、手数料が掛かってしまいます。なので入金する通貨と入金先のウォレットを統一するようにして下さい。
CredEarnで貸出申請をする
入金が完了したらCredEarnへ移動します。ダッシュボードへはウォレットページの「 Use funds」の下の方の「Partner apps」の欄にリンクがあります。
CredEarnのページに移動したら、一番下の「Go to CredEarn」をクリックしてダッシュボードへ移動できます。(最初は規約への同意や2FAが必要)
ダッシュボードからレンディング申請をするには「Start Earning」をクリックします。
するとポップアップしますので、通貨の種類を確認して、数量を入力してconfirmをクリックします。
LBAで利率が優遇される通貨は完了の前に確認が入ります。
次に単利か複利かを選択します。単利なら毎月、複利なら3か月後に利息が受け取れます。
申請が完了すれば毎月1日と15日から利息の計算がスタートします。
上の画像は3月1日に利息計算が開始されたXRPと3月15日から利息計算を開始するBTCの画像です。利息が入ったらまた追記しようと思います。
LBAは買いなのか?
LBAを買うべきかどうかですが、10000LBAの価格と6ヵ月間で受け取れる利息のバランスが合えば買った方がお得になります。10BTCとか預けられる大口の方は何も考えずに購入しますよね。
CredEarnの今後とまとめ
CredEarnは6ヵ月という他のプラットフォームより長い拘束期間のお陰で高い利率を提供していると思われます。あまり資金を集中させずに他のプラットフォームと使い分けていこうと思います。
今後ライバルとの競争が予想されますが、[Universal Protocol]というバックアップを背により安全に、より新しい仕組みを作っていくことを期待しています。
コメント
UpholdがCREDとの関係を解消するとのアナウンスがあった後、CREDから不正なFundの流出で口座凍結との知らせが来ました。なにか情報ありますか?
CREDと以前の関係者との裁判が行われているようです。CREDの非公式テレグラムでいろいろ調査されているようです。(https://t.me/credlbaunnofficial)
ただ公式からは詳しい情報はないですね。