どうもバカルダーです。今回は分散型レンディング・マージントレード・現物トレードプラットフォームのdydxについて紹介します。
dydxの素晴らしい所は担保に入れた資金にも利息が付くため、ステーブルコインの金利差を利用して値動きのリスクを抑えながら最大レバ4倍でトレードしながら金利が貰えてしまうという所です。
dydxは分散型レンディングとマージントレードのプラットフォーム
dydxはイーサリアムのスマートコントラクトで稼働する分散型プラットフォームです。秘密鍵を自分で管理することができます。
取り扱い通貨はETH、DAI、USDCで、利用するためにはメタマスクかコインベースウォレットが必要です。
その他の仮想通貨レンディングとの比較はこちらへ↓
スマートコントラクト監査
スマートコントラクトの監査は Zeppelin Solutions(2019年4月の監査レポート)とBramah Systems(2019年2月の監査レポート)によって行われました。
各種手数料
トレード
⇒無料。ただし、「マージン」は成行注文のみなのでスプレッドあり。また、マージン決済時にGASが発生
借入
⇒無料。ただし、強制ロスカットや期限切れの場合は別途
レンディング
⇒利息の5%が掛かる(表示金利に反映済)
清算時(強制ロスカット)
⇒5%掛かる
期限切れ(アメリカのみ)
⇒1%掛かる(アメリカ以外の人は無期限なので無料)
dydxを使うリスク
dydxは分散型ですが、リスクは0ではありません。
スマートコントラクトのバグや虚弱性を突かれたハッキング、仮想通貨の急激な価格変動によりロスカットの連鎖が起き、清算が間に合わずに貸し手に損失がでる等のリスクがあります。
dydxでは利息の5%を徴収し予め万が一の損失補填のためにプールしているようです。
dydxでのレンディング
dydxでのレンディングは非常に簡単です。レンディングしたい通貨をデポジットするだけでその瞬間から金利が発生します。

① 上部メニューのBalanceをクリック
②Depositをクリックして好きな通貨を入金
③現在の金利です。需要によって変化します。
貸出を中止したいときはいつでもWithdrawから出金可能です。
最低貸出数量や拘束期間や手数料について
最低貸出量の制限や拘束期間もありません。金利の支払いはcompoundのように数秒ごとに発生し複利で計算されます。
手数料については利息の5%ですが、表示される利率は既に手数料を割り引いて表示されるので自分で計算する必要はありません。
利息の5%はトラブル時に損失が出た場合の保険としてプールされます。
最低貸出量 | 拘束期間 | 支払い間隔 | 手数料 |
無し | 無し | 数秒ごとの複利 | 利息の5% |
マージントレード(FX)
続いてはマージントレードです。取り扱い通貨ペアはETH/DAI、ETH/USDC、DAI/USDCです。ロングの場合はレバレッジ2~5倍、ショートの場合は1~4倍まで可能です。

左上のETH-DAIの部分をクリックして通貨ペアを変更できます。
DAI/USDCでレバレッジを掛けて金利アービトラージ
マージントレードでDAIとUSDCのペアを使って金利アービトラージを手軽に行う事ができます。(受け取り金利>支払い金利の場合のみ)
両方ともステーブルコインですので基本的に1ドル付近をウロウロしており、価格の変動があまりなく、どちらかの運営によっぽどの事が無い限りロスカットまでいきません。
レバレッジを掛けると金利が上がる
そして、現在はDAIとUSDCに金利の開きがある影響で、レバレッジを掛けてロングしていると通常よりも多くの金利を貰う事ができます。
例えば現在だとレバレッジ1.5倍でロングすると金利は22%(借入額に対して)にもなります。
※元本や注文金額に対して22%ではないので注意

①レバレッジを掛けて注文したい金額
②レバレッジを選択。customで 2.1~3.9まで自由に設定できます。
Worst Price
⇒注文が滑ったときの最も不利なレート
Price Impact
⇒注文がレートに与える影響
Interest Rate
⇒金利(マイナスの場合は貰える)
Margin Deposit
⇒注文に必要な金額(レバを上げれば少額に)
Liquidation Price
⇒強制ロスカット価格(レバを上げればロスカしやすく)
レバを上げるほど、金利と必要証拠金は下がるが、ロスカットしやすくなります。
私の場合は1.5倍で金利が貰えなくなるまでそのままにしておこうと思っています( ロスカットに掛からない限り)
ちなみに、DAI/USDCロング以外にもETH/DAI、ETH/USDCをショートしても金利が貰えます。
DAI/USDCの具体的な金利シミュレーション
前提:手元に300DAIがあり、DAIの受け取り金利が10%、USDCの支払い金利が7%の時。1ドル=1DAI=1USDCとする
※DAI/USDCをロング=USDCを借り入れてDAIを買う事
単純に300DAIをレンディングした場合の1年の利息
300×0.1=30DAI
150USDCを借り入れてDAIの合計は450
⇒450DAI×0.1-150USDC×0.07=34.5DAI
600USDCを借り入れてDAIの合計は900
⇒900DAI×0.1-600USDC×0.07=48DAI
ETH/DAIのショートで価格変動リスクを減らして金利を貰うなら
ETH/DAIをショートして価格変動リスクを減らしながら金利を貰う場合、dydxのみではなく、TAOTAOのような取引手数料や建玉手数料が無料の取引所を使う必要があります。
例えば、dydxで2ETHをショートすると同時にTAOTAOで2ETHをロングしておくと価格変動に関係なく利息が貰えます。
注文状況の確認
自分が注文したトレードがどうなっているかは、Open Positionsで確認できます。

貰えている利息は INTEREST EARNED で支払った利息は INTEREST OWED です。この差額がAMOUNTに加算されていきます。
LIQ.PRICE は清算(強制ロスカット)になる価格です。ロスカットされると清算手数料が発生するので注意が必要です。
dydxマージントレード注意点はトランザクション手数料
dydxのマージントレードの注意点はトランザクション手数料です。エントリー時のGASは無料ですが、決済時にGASが発生します。
金利を目当てにトレードするのであれば、出来るだけまとまった金額で長い期間注文を保持しないと手数料だけでマイナスになってしまいます。
その他の用語について
その他気になった用語について紹介します。
Account BalancesとWallet Balances
Account Balancesはdydxに預けられた資金の事で利息が発生します。Wallet Balancesは自分のウォレットの資金の事で、当然利息は付きません。
トレードするときは、両方の資金を合算して注文することができます。
トレードの種類「MARGIN」と「TRADE」について
MARGIN
MARGINはレバレッジを掛けたトレードの事です。ETH-USDCでロングした場合はETH-USDCでショートして決済しなくてはなりません。
TRADE
TRADEは基本現物取引となりますが、借入も行う事ができます。また、購入した通貨をdydx内の他の板で売る事ができます。
100USDCを持っている状態で200DAIを買う事ができます。そうするとアカウントバランスは200DAIと-100USDCとなります。
200DAIに対して金利が受け取れます。逆に-100USDCに対して金利の支払いが生じます。
200DAIでETHを購入してからETHを売ってUSDCに交換して負債を返済することもできます。
アカウントバランスで負債が無い状態なら外部のアドレスに送金可能です。
DAI/USDC現物トレードをやってみたら月利5%を達成
dydxを使い始めたときは金利アビトラが熱い!と思っていたのですが、だんだん金利差も無くなってきたので、「DAI/USDCの買い・売り指値放置手法」に切り替えました。
この手法は単純に「DAI/USDCでDAIを安く買って高く売る」を繰り返すだけです。約定しなくても「利息が付く」、約定すれば「価格差で利益」というリスクの少ない方法です。

入金:400.5DAI+512.9USDC=913.4
28日後:202DAI+755.9USDC=957.9
利益:44.5(約4.8%増)
ただし、出来高が少ないので真似しないでくださいw
dydxのまとめ
dydxは以前からチェックはしていたのですが、仮想通貨FXをするならBitmexで良いし、レンディングならcompundと似たような金利だったのであまり使っていませんでした。
しかし、ステーブルコインのマージントレードやDAI/USDCのトレードで通常より多めに利息が貰えるようなので、ロスカットに注意しながら検証していきたいと思います。
dydxのようなノンカストディアルな分散型プラットフォームでもレンディングはリスクが0ではないことを肝に銘じておきましょう。
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