Compoundで仮想通貨レンディングする方法と複利での年利自動計算フォーム

compoundの使い方と年利レンディング

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この記事ではETHのスマートコントラクトを使用したDefi(分散型レンディング・借入)のCompound Protocol の使用方法と実質年利の計算方法・計算用プログラムを書いていきます。

Compoundのリアルタイムレンディングレート一覧

金利更新:2024/12/04/01:38(30分毎)
通貨貸出金利借入金利
DAI0%0%
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複利を考慮した実質金利での1年後の残高計算フォームもどうぞ。

Compoundとは

compoundはcoinbaseから出資を受けており、マネーマーケット(短期間での資金の貸し借りが行われる市場)の拡充を目標としています。

スマートコントラクトによって審査なしで資金の貸し借りを行えるプラットフォームです。

分散化でリスクを制限しつつ、中間マージンなどの人件費等の削減をしながら貸し手・借り手により良い条件で資金のやり取りの実現を狙います。

Compoundの特徴

  • 外部ウォレット「Metamask」等から直接 CompoundのContract に資金を預ける
  • 対応通貨はWETH/USDC/WBTC/DAI/BAT/REP/ZRX/USDTの8通貨
  • レンディングはブロック毎(約15秒ごと)の複利運用が可能
  • 借り入れは預入資産の1.5倍以上を保たなくてはならず、それ以下になると清算される
  • GAS(トランザクション手数料)は通貨のアンロック時/WETHとETHの変換時/貸出、借入、引き出し時に必要になる
  • 貸出・借入を行うとCOMPトークンが貰える

ホワイトペーパー  /  公式ツイッター

WETHについて

WETHはETHをERC20で扱えるようにしたETHにペッグされたトークンです。CompoundではETHを貸出・借入するためにはWETHに変換する必要があります。

仮想通貨レンディングの全体像はこちらで確認できます↓

CompoundでWETHをレンディングする方法

現状ETHの利率が1%以下なのであまりレンディングする人はいないと思うのですが、手順が多いWETHで説明します。

compoundではETHをWETHに変換しないと貸し出しができないようになっています。

  1. Compoundにアクセスして「WETH」をクリック
  2. 「SUPPLY」タブを選択して「ENABLE WETH」をクリック
  3. ETHをWRAPしてWETHに変換
  4. レンディングしたい数量を入れて「SUPPLY」クリック
  5. 引き出す時は「WITHDRAW」タブを選択して引き出す。

Compoundにアクセスして「WETH」をクリック

まず、MetaMaskにETHを入金しておき、ログインした状態で、Compoundにアクセスして、WETHをクリックします。

コンパウンド-weth

「SUPPLY」タブを選択して「ENABLE WETH」をクリック

次に、 「ENABLE WETH」 をクリックしてCompound上でWETHを扱えるようにします。トランザクションが発生します。

enable eth

トランザクションが完了するといつでも貸し出せる状態になります。

ETHをWRAPしてWETHに変換

次に「WRAP」の欄にWETHに変換したい量を入力してクリックします。

compound WETH

ここでもトランザクションが発生して、完了するとWETHを貸し出せる状態になります。

ETHをWETHに変換して貸出、担保として預入→「WRAP」。WETHをETHに変換→UNWRAPと覚えましょう。

レンディングしたい数量を入れて「SUPPLY」クリック

最後に貸し出したい数量を入力して「SUPPLY」をクリックしてトランザクションが完了すればレンディングが完了です。

compound-weth

あとは自動でブロック生成毎に利息がついていきます。

引き出す時は「WITHDRAW」タブを選択して引き出す

引き出したいときは、「WITHDRAW」タブを選択して、引き出します。元本と利息が自動的に自分のアドレスに送金されます。

レンディングした場合の年利を確認

貸出時の年利は以下の画像の赤枠部分の数値です。Rate(APR)の部分です。

lending rate

15秒ごとの複利を考慮するとCompoundの実質年利はいくつになるのか?計算方法と自動計算フォーム

Compoundは約15秒のブロック生成ごとに利息が付いて複利運用ができますので、実質年利を計算してみます。

複利を考慮した実質年利の計算

例:元本100DAI、年利2%の場合

1年=31536000秒(15秒*2102400)、30日=2592000秒(15秒*172800)、1日= 86400秒 (15秒*5760)

15秒の利率:0.02/2102400=0.00000000951293759513

残高の計算:元本*(1+15秒の利率)^利息支払い回数

1年後の元本=100*(1+0.00000000951293759513)^ 2102400 =102.020133983035

実質年利:{(1年後の元本/元本)-1}*100

複利での実質年利:{( 102.020133983035/100 )-1}*100=2.02013398303462

年利2%だと約2.02%と若干複利の影響で年利がよくなりますね。

Compound15秒複利の実質金利自動計算フォーム

レンディングしたい通貨選択し、元本を半角数字で入力してください。現在の金利で計算します。

通貨:
ETH  DAI  USDC  USDT
WBTC BAT  ZRX
元本:
ここに1日~365日後の残高と実質年利が表示されます。

Compoundで借り入れを行う方法

  1. 借入をしたい金額の150%以上の価格分の通貨を担保にする必要がある
  2. 借り入れたい通貨の「BORROW」タブで量を入力して「BORROW 」をクリック

借入を行う場合は、1.5倍以上の価格分の通貨を担保として預け入れる必要があります。

注意点として

  • 手数料として、借入金額の0.025%が掛かかる
  • 担保維持率が150%を下回ると清算されてしまうので余裕をもって預けるのを推奨
  • 借りる通貨は自由に選べるが、返す時は借りた通貨と同じ種類である必要がある
  • 借りた金額に対して利子が発生
compoundの利子と利息

「Borrow Interest Rate」が借りた場合の利子です。「 Supply Interest Rate」はレンディング時の利息です。

借り入れで資産を増やせる例

借り入れで資産を増やせる例として、値下がりすると思った通貨を借りる場合を考えてみます。

例えば、手元の資金:300daiとして、1ETH:200ドルの時

  1. 300daiを担保に1ETHを借りる(現在1ETHを保有)
  2. 1ETHをすぐに200ドルで売る(現在200ドル保有)
  3. 1ETHが100ドルに値下がりしたので1ETH買い戻す(現在1ETHと100ドル保有)
  4. 1ETHを返却(返却された300daiと100ドル保有)

これで、100ドル-(手数料+利子)の分を利益にすることができます。

COMPトークンについて

2020年6月よりCompoundで貸出、借入を行うとガバナンストークンであるCOMPを貰う事が出来るようになりました。

どのくらいのCompが貰える?

どのくらい貰えるかを試算するには、Predictions.Exchange(Compound)を参照してください。

compoundでどのくらいのCompが貰える?
画像を押して拡大できます

例えば上の画像だと1000BAT貸出して、500DAI借入すると1年で0.54COMP、レンディング利息55ドル、合計で214.21ドル分が稼げて年利にすると28.68%という事が分かります。

ただし、ステーブルコイン以外の通貨は値動きがあるのであくまで現時点での予想利息である点に注意して下さい。

レバレッジを掛けたCompマイニングについて

Defi上級者向けですが、COMPトークンが貰える事を利用してレンディングと借入を使ってレバレッジを掛けてCOMPを稼ぐ方法があります。

Compoundでは預けた資産を担保に75%の資産を借りる事ができます。例えばDAIをレンディングする場合の手順は以下の通りです。

  1. 1000DAIをレンディング
  2. 700USDCを借入
  3. 700USDCを700DAIに両替
  4. 700DAIをレンディング
  5. 以下繰り返し

注意点としては、ステーブルコイン以外を担保にすると、値動きによる清算(ロスカット)リスクがあるので、リスクを減らすならステーブルコインのみを使った方が無難です。

※それでも「ステーブルコインのドルペッグ外れ」のリスクがあります。

Nuo NetworkとCompoundの共通点と違い

以前記事にした「Nuo Network」もスマートコントラクトを使った分散型プラットフォームです。

裏側で使われている技術や仕組みは恐らく結構違いはあるのだと思いますが、ユーザー視点から見ての違いは

  • GASが発生するタイミング
  • 「単利か複利か」と利息が付くタイミング

GASが発生するタイミング

Nuo Networkはメタトランザクションという技術が使われていて、最初に自分用のコントラクトアカウントに入金する時以外はユーザー側にはGASが必要ありません。

compoundでは最初の通貨アンロック時やETHを扱うためのWETHへの変換・逆変換などと頻繁にアクションを起こすとGAS代がかさみます。

「単利か複利か」と利息が付くタイミング

compoundは15秒毎の複利、Nuo Networkは1日毎の単利です。ただし、いつでも貸出キャンセルが可能なので手動で複利運用が可能です。

共通点は「貸出用資産をプールしてそこから利率を算出する」部分

CompoundとNuo Networkで共通する部分でいえば、「貸出用資金をプールしておき、そこから借り手に貸し出される」という部分と、「そのバランスで利率が算出される」という部分です。

一方、個人個人の提示する条件をマッチングさせて借入・貸出の量や利率が決定する分散型プラットフォームに「ETHLend」や「dharma」があります。

現時点での利率の良さでいうと、ETHLend > Nuo Network > Compound となっています。

分散型レンディングDApps Compoundの今後

実際にCompoundを使ってみて、サイトの見た目もシンプルで分かりやすく、短期間で少しづつ残高が増えていくのは見ていて楽しかったです。

今後、イーサリアムのスマートコントラクトのセキュリティの強固さやメタマスクのような外部ウォレットの一般化、DAIやTUSDなどのステーブルコインの安定性が証明されれば、より大きな借り入れ・貸出需要が生まれ銀行預金の代わりに広く使われる未来が来るかもしれません。

日本語でのCompoundの裏側の技術や詳しい仕組みについては以下の記事が参考になると思います。

Compound Protocolの紹介と解説
公式ページ:  Compound Protocol App:  Whitepaper:  …

コメント

  1. こいキング より:

    ETHで増やすってなんだろう?
    て所から貴殿の記事にたどり着きました。
    分かりやすかったです😊
    (やってみたけど、難しそうで悩んでます。尚、現在はBlockFiに預けてるだけですw)